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| 1スイス、フランスの医療廃棄物処理 | 2 心の病、早期治療 連携進む医療現場 | 3 考えたい「患者中心」の意味 |
| 4医療費が足りない/4 医師支える事務員 | 5 キネステティク |
| 5 医療のパラダイムを変革させるキネステティク 週刊医学界新聞 第2778号 2008年4月17日 徳永恵子(宮城大学教授) 只浦寛子(宮城大学講師) 宮城大学では2000年からキネステティク概念を応用した看護に関する研究・啓発活動を始め,07年日本キネステティク研究会を設立しました。 キネステティク(Kinaesthetics)とは,動きと動きから生じる認識についての学問で,人間が本来備えている身体の自然な動き,動きの感覚を人との関わり(コミュニケーション手段)に応用することを主なテーマとしています。 キネステティクの動きの支援はモビリゼーション(Mobilization)であり,そこには動かすこと,動かして生きる力をも活性化させるという意味が含まれています。日本の看護における動きの支援技術は数十年来メカニカルな方法を追求してきました。しかし,人間は身体と心を持つ社会的な生き物であり,「人は地球という重力磁場において動きを生存の原則として生きており,運動は絶え間ない遺伝子への働きかけである」と跡見順子氏も述べています。動きの支援目的は「人が目的点まで動く」という物理的な移動のみではなく,また褥瘡予防や気分転換だけであってもなりません。看護はホリスティックな支援をめざす学問ですが,この動きの支援はホリスティックな支援,つまり「看護」でなくてはならないのです。 キネステティクでは,患者は動かされるのではなく動く主体であり,看護師・介護者は,動きを“支援する”側として患者と一緒に動くことを基本とします。そのため,患者はまるで自分で動いているかのように感じ,世話になる心的負担から解放され,不安や恐怖,苦痛を感じません。自尊心を取り戻し,自己効力感を育み,生きる意欲を高めることができるのです。 現在,高齢化による「寝たきり高齢者」の増加をはじめ,褥瘡発生リスク保有者は確実に増加しています。この状況を受けて褥瘡を社会的問題として捉える必要性が認識され,診療報酬改定にも影響を与えてきています。加えて近年,安静の功罪が改めて明らかにされてきており,キネステティク概念の看護への応用に対する関心は高まっています。 キネステティク概念が皆様に真に理解され,実践の場で具現されるならば,ケアの対象となる方々の活動性,セルフケア,そして生命力に焦点をあてたホリスティックなケアが提供される医療へのパラダイムシフトを実現できるでしょう。 “生きることが動くことなら,動きを支援することは命を支えることである。” ◆第1回日本キネステティク研究会は2008年7月12日(土),宮城大学大和キャンパスにて開催される。 http://www.myu.ac.jp/~jka/index.html |
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| 4 医療クライシス:医療費が足りない/4 医師支える事務員 毎日新聞 2008年4月18日東京朝刊 ◇患者にもメリット 今年2月、岩手県立千厩(せんまや)病院(一関市)泌尿器科の診察室。阿部俊和副院長(現国保金ケ崎診療所副所長)は診察しながら、「薬は前回と同じ」「次の予約は4週間後」と、横に座る医療クラーク(事務員)の女性に、処方せんや診察予約の指示を伝えた。医療クラークは手際よくパソコンに入力していく。 「医療クラークが事務作業を処理してくれるお陰で、患者に向き合い、集中できる時間が増えた」と、阿部医師は医療クラークの良さを説く。 医療クラークは医師の指示で、カルテの記載や処方せん発行、保険会社への診断書作成など主に事務作業を行う。海外では普及しているが、日本の病院にはほとんどいない。 情報開示や医療事故対策が進むにつれ、医師の事務作業が増えている。阿部医師は「ここ10〜20年で書類の作成量が3倍くらいに増えた」と話す。負担の重さは、勤務医の病院離れにもつながる。 岩手県は医師確保対策の一環として昨秋、県立3病院に試験的に医療クラークを導入、千厩病院にも2人を配置した。今年度からは県立の21病院に、医師数や病床数に応じて10〜1人を導入した。 国も今年度から、医療クラークの人件費を診療報酬の加算で補う制度を始めたが、伊藤達朗千厩病院長は「診察時間を従来より多くでき、患者にとってもメリットが大きい。医師1人当たり医療クラーク1人を目指すべきだ」と訴える。 米ピッツバーグ大に留学中の津久井宏行医師(37)は、上司の外科医や2人のPA(Physician Assistant=医師助手)とともに、4人で年間450〜500例もの心臓手術(開心術)をしている。日本ではこれほど多くの手術をこなす病院は少ないが、津久井医師は「精神的にも体力的にも非常に余裕がある」と話す。なぜ余裕があるのか。 鍵を握るのは、日本にはないPA制度だ。PAは米国の国家資格で、医師の監督下で診察や治療、検査の指示、処方せん発行などができる。津久井医師の同僚のPAは、手術の第1助手、検査データ分析などの術後管理、病棟回診までこなす。全米では7万人近いPAが働いている。 米国の病院では、多様な職種が医師を支える。通常の看護師より専門的な資格で、処方や簡単な処置を行える「Nurse Practitioner=公認看護師」もいる。呼吸管理、点滴などを行うための「静脈ライン」確保、院内の患者搬送など、それぞれに専門職がいる。医療クラークに相当する医療秘書もおり、ほとんどすべての医師に秘書がつくという。 津久井医師は月曜から金曜まで毎日手術をするが、術後管理や書類作成などはPAらが担ってくれるため、早い日は午後4時に帰宅することもある。長期休暇も年に4週間くらいは取れるという。 津久井医師は「病院では、ほとんど手術室にいる。米国の心臓外科医は、まさに手術をするためにいる」と話す。そのうえで現在の状況をこう表現した。 「労働時間は日本の半分か3分の2で、年収は最低でも2〜3倍だ」=つづく |
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| 1スイス、フランスの医療廃棄物処理(07/08/31)日本経済新聞 田中勝(たなか・まさる) 1941年岡山県生まれ。京大工卒、米ノースウェスタン大大学院博士課程修了。岡山大大学院教授。文科省21世紀COEプログラム「循環型社会への戦略的廃棄物マネジメント」拠点リーダー 日本、ドイツ、イタリアと同様にスイスの医療廃棄物処理も焼却が中心です。ところが世界の国々で、焼却しないで埋め立て処分に依存している国々があります。アメリカ、オーストラリア、フランス等です。今回は焼却中心のスイスと埋め立て中心のフランスを比較してみましょう。また医療機関から排出される放射性廃棄物は、短半減期の放射線廃棄物はあるレベルまで下がれば、普通の廃棄物として扱っています。 ■自治体の焼却炉に依存するスイス・ジュネーブ大学附属病院 従業員8,600人、病床数2,200と比較的大きなジュネーブ大学附属病院を訪れました。スイスでは、国とは別に26の州が独自に法規制をしており、2002年に大気汚染に関する法制度が強化され、それまで院内の焼却施設を使用していましたが、それに対応する為の修繕費が莫大なためジュネーブ市への委託焼却処理に切り替えました。スイスでは一般廃棄物の処理にも原則焼却処理で対応しており、日本やシンガポール等と同じ対応です。 院内での廃棄物の分類は、危険度に応じて7種類に分類され、黄色、白、オレンジ色の缶、プラスチックの袋、プラ容器に分別保管され、集荷された後最後は焼却施設にて焼却処理されています。自治体が医療廃棄物を受け入れるにあたって、従業員への研修を行い、感染性廃棄物と一般廃棄物とは投入口は別になっており、また自動投入となっており、作業員の手に触れることが無いようになっています。 廃棄物処理のかかる費用は市の施設の処理費用は、一般ごみは250 スイスフラン/t、注射針などは400 スイスフラン/tと廃棄物の特性によって処理費に幅がありました。 ■埋め立て処分をするフランス・リヨン州立病院 感染症専門の医者や火傷専門医が多数いる州立病院(Hop Croix-Rousse)と1930年に設立した州立の病院(Hop Ed Herriot)を訪れました。 フランスの廃棄物処理は、1975年の法律に基づき、廃棄物の定義、責任者、容器、処理・処分について規定されています。フランスの廃棄物処理は、基本的には埋め立てであり、特に注射針などを含む医療廃棄物に関しては、市民の関心が高く焼却処理がなかなか受け入れられません。感染性廃棄物が焼却処理をされているのはフランス全体でもごくわずかです。 医療廃棄物は一般廃棄物、危険廃棄物、解剖廃棄物などに分類されそれに応じて処理されています。注射針は黄色容器に、また都市ごみ以外は全て医療廃棄物としてプラスチックバックへ廃棄されます。特に危険な廃棄物は焼却処理ですが、そうでなければ蒸気滅菌などで処理された後、埋め立てがほとんどです。滅菌した後に埋立処分する方式は、経済的に優れ、処理施設までの距離が短く、最終処分までの時間を短縮され、医療廃棄物が発生してすぐに処理できるためトータルリスクが削減できるという説明でした。 放射性廃棄物に関しては、長半減期の放射性廃棄物に関しては、国営のANDRAが引き取って処理をし、短半減期の放射性廃棄物に関しては、スイス・ジュネーブ大学附属病院と同様に放射能レベルがある一定値以下になるまで保管した後に、通常の廃棄物として扱うとのことです。埋立処分場の入り口にも放射能レベルを測定する装置があり、病院からの排出時、処分場への搬入時と2度チェックを行っているわけです。 ■ヨーロッパ内でも違う対応 これまでEUの中からドイツ、イタリア、スイス、フランスの現状を見てきました。国、地域によって対応がずいぶん異なることが分かります。 (1)感染性廃棄物の定義・範囲に関しては、イタリアは日本に近く、血液などが少しでも付着すると感染性廃棄物としていました。ドイツでは、感染症の患者からの血液が付着したもののみを感染性廃棄物の対象としています。 (2)感染性廃棄物への対応はイタリア、ドイツ、スイスに共通していたことは感染性廃棄物を高温処理、すなわち焼却施設で処理することが一般的でありました。ところがフランスでは、感染性廃棄物はほとんどが焼却処理されず、医療機関の現場で焼却以外で滅菌処理された後埋立処分されていました。これは焼却が大気汚染の問題などから住民に受け入れられないためです。 (3)処理施設は医療機関のではなく、イタリア、ドイツ、スイスも自治体などの焼却施設で委託処理されていました。同じEU内の国であっても、国によって医療廃棄物への対応は様々であることが分かります。EUやWHOでは統一して対応するようガイドラインを出すなど努力もされています。[8月31日/Ecolomy] |
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| 2 心の病、早期治療 連携進む医療現場 団体発足、ミスマッチ解消 産経新聞 (2007/07/05 15:29) 内科医などの一般医と精神科医が連携する動きが出てきた。自殺との関連も指摘される鬱病(うつびょう)などの「心の病」だが、初期は不眠や頭痛など身体的な症状が目立つことが多く、一般医を転々とする人も少なくないからだ。初期診療(プライマリーケア)段階で病気の兆候を見つけて早期治療につなげようと、自治体と医師会などがさまざまな取り組みを始めている。(海老沢類) まず内科から 東京都内のメーカーに勤務する営業職の女性(32)は頭痛やめまいを覚えるようになってから約1年、内科や耳鼻科、脳神経外科などを転々とする日々を過ごした。原因は分からず症状も改善しない。そのうち仕事の作業効率や集中力が目に見えて落ちたため、精神科の神田東クリニック(東京)を訪れた。診断結果は鬱病。聞けば、「上司との人間関係でストレスを抱き、会議中じっと座っていられないこともあった」という。 「こうしたケースは珍しくはない。鬱症状があっても直接精神科を訪れる人は少ないのが実情」と島悟院長は話す。 心療内科医の三木治氏が、心療内科を受診して鬱病と診断された患者330例を調べたところ、最初に訪れた診療科は内科が64.7%で最も多く、婦人科9.5%、脳外科8.4%が続いた。精神科、心療内科はそれぞれ5.6%、3.8%にとどまった。 鬱病は気分の落ち込みや意欲の低下といった精神的な症状に加え、不眠や息切れなどの身体症状を伴う。「鬱病初期は精神症状より身体症状が前面に出る場合が多いうえに、精神科の受診に抵抗がある患者も少なくない」(都内の精神科医)ことが、内科受診率の高さにつながるようだ。 専用の紹介状 静岡県が7月から富士市内で始めた「鬱病の早期紹介システム」は、こうした“ミスマッチ”を解消し、早期治療につなげる取り組みだ。かかりつけ医は、鬱病の疑いが強い患者がいた場合、相談の上で精神科医に速やかに連絡し、優先的に予約を入れられる。 ユニークなのは専用の紹介状だ。不眠や食欲低下などのチェック項目を列記しており、一般医はこれを目安にして患者に「眠れていますか?」などと質問する。不眠が継続しているようなら鬱病の可能性を疑う。 富士市医師会は「(一般医の)鬱病に対する診断水準が上がるうえに、患者を専門医に紹介するルートができた」とシステムを歓迎する。 自殺を予防する 大阪で昨年発足した「一般医−精神科医ネットワーク(通称G−Pネット)」には府内の精神科病院や一般病院、産業医らが参加。研究会などを通して双方がスムーズに患者を紹介し合えるシステム作りを目指している。 福岡市でも九州大学病院と市医師会などが連携し、一般医対象の鬱病研修を定期的に開いている。 鬱病との関連が指摘される自殺者の数は昨年、9年連続で3万人を超えた。一連の取り組みは自殺予防策としても注目されている。『自殺予防』(岩波新書)などの著書がある防衛医大防衛医学研究センターの高橋祥友(よしとも)教授(精神医学)は、「『専門外』という認識もあって、これまで一般医と精神科医はあまりうまく連携が取れていなかった。初診で精神科を訪れる患者が少ない現状のもとでは、精神科以外の医師が早期対応の中心的役割を果たすことが重要だ」と指摘している。 睡眠薬服用の36%が鬱該当者 不眠は鬱の典型的な身体症状の一つとされる。製薬会社グラクソ・スミスクラインが平成18年、20〜50代の睡眠薬服用者308人を調査したところ、鬱症状に該当した人の割合は36.7%に上った。 一方で、鬱症状該当者のうち、睡眠薬の服用を始めたときに「自分のことを鬱かもしれないと感じた」人は66.6%に上ったものの、そのうち44.9%は、不眠以外の精神面の不調については医師と相談したことがないと回答していた。 調査を監修した東邦大学医学部心身医学講座の坪井康次教授は「医師と患者の十分なコミュニケーションが、漫然とした睡眠薬の服用を防ぎ、鬱病の早期発見・早期治療につながる」とコメントしている。 |
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| 3 考えたい「患者中心」の意味 本田 麻由美記者 読売新聞 「患者中心の医療」というと美しく聞こえるが、その本来の意味を、患者も医療者もわかっているんだろうか、という疑問を感じる――。 「がん対策推進基本計画づくりの議論は、患者のために」(4月20日付本欄)に対して、このような趣旨のお便りを幾つかいただいた。 武蔵野大看護学部教授の種村健二朗さん(66)は、「一人一人の患者の意思を尊重した医療が『患者中心の医療』だと思う」とし、「その実現には患者本人への病状、予後も含めた告知が不可欠なのに、そうした議論がない」と指摘する。 例えば、「延命を期待して積極的抗がん剤治療を続けたい」のか、「痛み軽減の治療だけでいい」のかを、患者自らが決めるためには、本人が自分の病状を正確に認識できるように、十分な説明が行われていることが必要だ。しかし、病院では現在も、「つらいことを知らせるのはかわいそう」「だから患者に代わって良い治療法を決めてあげる」といった“優しさ”から、家族と医師が判断していることが少なくないという。 こうした状況に対し、種村さんは、がん専門病院の治療医や緩和ケア病棟の担当医を35年間務めてきた経験から、「本人が事実を知って苦しむことは、その苦しみからの解放への過程の始まり。必要なのは、その過程に沿った真摯(しんし)なケアであり、人間を見くびった“優しさ”ではない」と強調。「患者を蚊帳の外にして家族と医師が話し合う現状のまま、『患者中心主義』が推し進められようとしているのは不気味だ」と言う。 確かに、がん告知が当たり前になりつつある一方で、再発がん等の場合、病気の進行度合いまでは詳しく知らされないことが多い。「患者中心の医療」を実現するには、患者側にも病状や予後の告知を受けて生き方を選択する覚悟が必要なのかもしれない。ただ、私にその覚悟があるかどうかは分からない。患者の生きる意欲を奪うような告知では意味がないとも思う。「悪い知らせを伝える技術」を、医師が学ぶ仕組みも必要だ。 いただいたお便りの中には、このほか、「『患者中心』を、『医師が患者の言いなりになること』と勘違いしている人が多い」「『患者参加型医療』は、治療内容を形式的に患者に確認することではない」などの意見があった。乳がん闘病を通じて、私なりに考えた「患者中心」の意味について、次回も続けて考えてみたい。 |
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